Column 7 パン&スイーツ
パン工房 クッペル
JR荻窪駅北口を出て、青梅街道沿いに西へ徒歩約15分の場所に佇む人気のベーカリー「パン工房 クッペル」。
八丁商店街の中でもかなり西の端にあるものの、それだけ歩いていく価値のあるステキな"パン屋さん"です。
先代は靴屋さんとして、そして1977年、現在の店主である高橋正典さんに代替わりしてからはベーカリーとして、地域の人たちから愛されており、店主と語り合うのを楽しみにされている高齢者の方もいらしゃるとか。
アイディア満載のパンの魅力
何といっても店主がパンづくりを学んだ当事の"昭和の味"を守り続けている点にあります。
当時の製法にこだわり、小麦粉と塩を使ったシンプルなパンたち。
食パンをはじめ、クリームパンやアンパン、チョココロネ(120円)といった定番商品や、揚げパンや甘食といった昭和の製法で作られた懐かしいパンが並んでいる一方で、素焼きの壺で焼き上げたという「壺焼きパン」、メディアにも取り上げられた練乳使用の「おっぱいパン(120円)」などアイディア満載の楽しさも味わえます。
定番のクリームパンには、パンの表面にニコニコマークが描かれていて、子供たちに人気というのもうなずけます。そんなひと工夫も同店の魅力のひとつとなっています。
焼きそばパン(130円)はなんと一見しただけでは焼きそばが見えません。
パンの中に焼きそばをくるんでいるそうです。そのココロは、食べる時に焼きそばを挟んだ形だと焼きそばがパンからこぼれてしまいがち。そのため、焼きそばがこぼれないよう、くるんだ形に改良したそうです。
小さな店舗ながら多くの人気商品があり、中でもふすまを使った食物繊維も多い「ピガール(240円)」はお通じの悩みを持つ方にも効果的とか。胃腸科のお医者様も買いに来るという商品です。
新作パンのネーミングにも工夫を凝らしているという高橋さん。
一例としては、シロップ漬けのりんごが丸ごと入っている「おどろきのりんごぱん」という商品。
ちょっと変わったネーミングをつけることで、お客様とコミュニケーションをとるキッカケとなればという想いから。地元に根ざしたパン屋さんらしい心遣いに温かみを感じます。
製法はシンプルでも食べやすさやネーミング、さまざまな点において配慮されているのです。
サンドイッチの耳にシナモンを塗ったシナモンスティックや、半端な個数の物は流行の"訳あり商品"としてリーズナブルな価格設定なのも、そういった心遣いの一環といえるでしょう。
八丁商店街のキャラクター「はっちゃんパン」
八丁商店街のキャラクター「はっちゃん」をモチーフにした「はっちゃんパン」も、地元イベント限定商品として、今後は販売していくそうです。「はっちゃん」はイチョウの葉の妖精ということもあり、どのイベントで遭遇できるかは運次第。それもまた高橋店長の遊び心といえるでしょう。
パン工房 クッペルは昭和時代からの製法と、斬新なアイディア、そしてユニークなネーミング、リーズナブルなパンと、温かな笑顔の店長が迎えてくれます。
パン工房 クッペル
住所:杉並区桃井2-2-4
電話:03-3399-0889
営業時間:平日 8:30-19:30、土曜日 9:30-19:30
定休日:日曜日