Column 8 荻窪音楽祭
無料コンサート紹介
無料コンサートを聴き倒そう！
「荻窪音楽祭」では、ホールやライブカフェ、名曲喫茶などの文化施設や飲食店については、入場料やフード・ドリンク料が必要となる有料コンサートもありますが、イベントの趣旨であるクラシック音楽を身近に楽しんでもらおうという想いと、音楽を学ぶ近隣住民が日頃の練習の成果を発表する舞台づくりの一環として、毎回、無料コンサートが多数実施されます。
メインはやはり「荻窪音楽祭」を主催する「クラシック音楽を楽しむ街・荻窪」の会によって運営される荻窪駅北口駅前広場のコンサート。小広場でのんびりと音楽を楽しむことができます。
そのほか、「杉並公会堂」の隣にある新星堂地下ホール、杉並区立天沼小学校、二天沼弁天池公園・郷土博物館分館、杉並区立大田黒公園・大田黒記念館、日本キリスト教団荻窪教会など、さまざまなエリア、さまざまな環境でのコンサートが開かれ、音楽はもちろんですが、荻窪に住んでいても日頃は入る機会がなかった施設や公園の様子を知る楽しみもあるのです。そんな無料コンサートのいくつかをご紹介しましょう。
さすがの新星堂地下ホール
青梅街道沿いにある新星堂地下ホールは日頃もライブに使用されるホールだけに音響効果も抜群。
こちらでは14日・15日の二日間、無料コンサートが行われ、14日は芝清香氏のオーボエ、土田仁一氏のハーモニカ、真野照久氏のアコーディオンと若柳吉三郎氏のギターをはじめとするジプシーソング、ジェイコブ・コーラー氏のJAZZピアノ、Everlyライブなど、13時から17時までぶっ通し！
翌15日は一転して、市川徹氏や西内真紀氏などを中心としたクラリネット演奏会が開催されました。
天沼小学校のチャリティーコンサート
天沼2丁目にある杉並区立天沼小学校では、14日の13時半から16時半まで「震災のチャリティーコンサート」が開催されました。
会場は音楽室かと思いきや、意外にも会場は下駄箱近くにある吹き抜けでの演奏会。小学生の下駄箱や水飲み場など、大人にとってはちょっと懐かしい会場です。そんな吹き抜け会場で音が拡散しないかと危惧しましたがそれも杞憂。美しい音色が構内に染み渡るような演奏が続きました。スタンドピアノでこれほどの音が奏でられるものかとただ感嘆するのみ。
小学校らしく、歌のお届け隊による参加者も一緒に歌う演目もあり、「花」「エーデルワイス」「花の街」「ふるさと」といった多くの人が子供の頃に歌った曲の歌詞も配られ、会場が一体となって歌う楽しさを体感しました。
さらに今回の注目は、いつもは有料コンサートとなっているマリンバの大御所・吉川雅夫氏の演奏。会場確保の都合から天沼小学校での演奏となったそうです。受付スタッフの方たちからも一押しとして薦められました。
吉川氏編曲の「クシコスの郵便馬車」にはシビれ、ギター曲「三千院」のマリンババージョンの叙情性には心打たれました。
教会通りでサプライズ！
天沼小学校からの移動途中に教会通りで、パンフにもない音楽キャラバン隊と遭遇。インディーズ系の矢野忠さんを中心とした一団で、教会通り商店街との直接契約で商店街の各所でハッピーなサウンドを披露。
2011年秋の「荻窪音楽祭」にも参加予定だそうなので楽しみですね！
日本キリスト教団荻窪教会
駅の南側にある日本キリスト教団荻窪教会では、14日は無料のスプリング･コンサート、15日は楽譜料500円のワークショップ＆コンサートが実施されました。ワークショップは、バッハの「ロ短調ミサ曲」をドイツ語・ラテン語・日本語に乗せて歌ってみるという興味深い内容でしたが、すでに定員90名のところ100名以上の予約が入ってしまったそうで断念。その代わり、無料のスプリング･コンサートを鑑賞してきました。
14日の14時45分から16時15分までの１時間半にわたり、声楽アンサンブルやマリンバ･スネアドラム独奏、ソプラノ独唱という流れ。伊勢えみい氏のオルガンの調べと共に歌われる池田まゆ子氏の「すべての地にて歓呼して神を迎えよ」「マタイ受難曲」「アヴェ・マリア」などの独唱は、教会という舞台あってこその感動と、東日本大震災で亡くなった人たちへの哀惜と追悼の想いに満ちていました。
