Column 2 荻窪ラーメン
荻窪のラーメン事情 -荻窪に来たらまずはここ！-
「荻窪と言えば？」と聞かれたとき、「ラーメンの街」と答える人が多いかもしれない。荻窪は杉並区はもとより都内でも屈指のラーメンの激戦区と言え、事実、荻窪駅周辺には、行列店から新参店まで10店舗以上のラーメン店が点在している。今回はそんな「ラーメンの街・荻窪」を特集したい。
まず、荻窪のラーメンを語るにおいて絶対に外せない店が「春木屋」だ。昭和24（1949）年に創業し、変わらぬ味を提供しつづけて今年でなんと60年！ 毎日、食べても飽きが来ないという、煮干の風味がしっかりと感じることができるあっさり系しょうゆ味の代表格だ。そんな味を求めて週末・祝日には、開店から閉店までお店の外には10人以上の行列が耐えなく、東京都外からわざわざ食べにくるお客さんも多いという。まさしく「東京ラーメンと言えば、ここ！」と声高らかに宣言したい。また「春木屋」は伊丹十三監督の名映画『タンポポ』のモデルとなった店としても有名であり、荻窪人ではなくてもラーメン好きならば一度は食べておきたいし、創業60年＝還暦ということで、“ラーメンの原点回帰”の意味でも必ず知っておきたい味だろう。
そして、個人的にそんな煮干系ダシがしっかりきいた東京ラーメンの進化系だと思っている店が「二葉」である。教会通りに店を構え、木目調の内装はどこかほっとさせる。ここでオススメなのがチャーシュー麺である。味わい深いしょうゆ味のスープに、喉越しがいいストレートの細麺がよく絡む。さらに、噛むとトロっとしたうまみが広がるチャーシューが5枚も乗せられており、「コキュコキュ」と確かな歯ごたえを感じさせながらもしっかりと濃く味付けされたメンマが美味しさに拍車をかける。
このようなクオリティ高いラーメンを常時提供するだけではなく、ときおり期間限定のオリジナリティ溢れる創作ラーメンがメニューに加わることがある。店内にあるケータイのQRコードから会員になると、お店からメールマガジンが配信され、季節毎の新作メニューや創作メニュー、そして裏メニューの情報をいち早く知ることができる。また、「二葉」はここの“天沼店”だけではなく、青梅街道の「ジョナサン」の手前の小道に入ったところに“上荻店”も構えており、こちらは、まぜそばなどの天沼店とは違うラーメンが楽しめるのだ。
一方、味わい深いしょうゆ味ではあるが、一風変わった“ラーメン”を食べたいのならば、南口の「丸長」がオススメだ。三鷹方面の総武線に乗り、荻窪駅到着時、一瞬だけ左側見える行列が気になった人もいるかもしれないが、「丸長」にも並んで食べたい商品があり、なかでも一番特徴的なのが、つけそばである。
近年のラーメン界では、プリっとした歯ごたえの麺に、ベジポタ（ベジタブル・ポタージュ）系と言われる、数種類の野菜をミキサーでペースト状にしたものに、魚介系のスープを加えることでドロリとしたつけ汁で食べるのが流行している。しかし「丸長」は、ひたすら濃厚なしょうゆ味と、ピリリと入った胡椒がアクセントになったつけ汁が特徴。麺をたっぷりとつけ汁にからませ一口すすれば、ガツンとインパクトがある味が口の中に広がる。この味が病み付きになり、リピーターとなって行列を形成しているのである。
今回は、しょうゆ味ならば“必食”の店を3点紹介した。次回は2009年に荻窪に店を構えた新店や、しょうゆ味以外のお店を中心に紹介したいので期待していただきたい。
春木屋
http://www.haruki-ya.co.jp/shop.html
住所：東京都杉並区上荻1-4-6
営業時間：（月-土）11:00-21:30 / （日）11:00-21:00
定休日：年中無休二葉 天沼店
http://ogikubo-futaba.com/
住所：東京都杉並区天沼3-26-14
営業時間：11:30-22:00
定休日：火曜丸長（まるちょう）
住所：東京都杉並区荻窪4-31-12
営業時間：11:30-15:00 / 17:30-19:30
定休日：水曜・第3日曜
