Column 11 荻窪を生きる人
八丁商店街キャラクター「はっちゃん」誕生秘話(後編)
■菊池雅樹さん
有限会社フロッグシステム
代表取締役 クリエイティブディレクター
今回、菊池様が荻窪八丁商店街の新キャラクター「はっちゃん」を制作していく上で感じられた、荻窪八丁商店街の魅力とはどういった点にあるのでしょうか。
先(前編)にも申しましたが、八丁商店街は広い青梅街道を挟んで東西に伸びている商店街です。また、JR・東京メトロ丸ノ内線・荻窪駅からも歩いて7・8分はかかります。
荻窪に近いのですが、青梅街道沿いに長く続いているので、どちらかというと荻窪駅と西荻窪駅の中間点に位置する商店街と言えるでしょう。一見、駅から距離があるというとデメリットのようにも感じられるかと思いますが、それがそうではないんですよ。
どうしてもJRの駅前や駅周辺というと地価も高いこともあって、全国展開しているフランチャイズ店などが軒を連ねる傾向にある中、駅から少し距離があるため、昔ながらの個性的な商店がたくさん残っているんです。
もちろん、フランチャイズ店やコンビニエンスストアはありますが... "八丁商店街という文化"があるんです。そこは私にとっても大きな魅力を感じましたね。
駅からの距離が八丁商店街の個性を構築したという訳ですね。
そうなんです。さらに、私も感動してしまったのが、もともと八丁商店街には青年団のような組織もあって、結束力もやる気もあるんです。
また、地元商店街としての危機感も一人ひとりが持っているので、定期的に会議を開いたり、街の美化についても積極的に取り組んでいます。
そして、そういった活動を人任せにせず、率先して実行する人材も豊富です。私もいろいろな商店街のPR活動などに従事してきましたが、八丁商店街の意欲には圧倒されましたよ。
それと、私のような"外の人"、いわゆる"商店街のメンバーでない人"も温かく受け入れてくれて、意見に耳を傾けてくれる、そんな親しみやすさと柔軟性がありました。そういった意味では、今回の「はっちゃん」プロジェクトも進めやすかったですね。
そういった温かいコミュニケーションと協力体制のもと、「はっちゃん」は誕生したんですね。すでに商店街や地元イベントで次第に地域住民の方々からの認知度をアップしている「はっちゃん」ですが、今後の展開はすでにお考えなのでしょうか。さしつかえない程度にお答えいただけますか。
すでに「はっちゃんTシャツ」や「はっちゃんステッカー」、さらにはポスターや商店街フラッグを作り、少しずつ認知度は上がっていると思います。お子さんにも親しみやすいキャラクターなので、「はっちゃん」自体を商品化したアイテムの製作・販売も検討していきたいと考えています。
「はっちゃん」自体を八丁商店街の商品として打ち出していく訳です。実際に、八丁商店街にある「パン工房 クッペル」さんでは「はっちゃんパン」も試作しており、イベントの時だけ販売していく予定です。私としてはやはり着ぐるみ...、魅力ですね(笑)。
私自身、以前は荻窪に住んでいましたし、中央線沿線の雰囲気が好きです。現在、住んでいる成田東町も近くには個性的な阿佐ヶ谷パールセンターもあり、ジョギングコースの善福寺川の桜も美しい所です。
実際に地元イベントの立て看板製作も手掛けました。そんな私自身の"地域への想いや愛着"もさまざまな製作物としてカタチにしていければと考えています。
取材日:2012年3月27日
八丁通り商店街
http://8ave.jp/■インタビュー
有限会社フロッグシステム
代表取締役 クリエイティブディレクター 菊池雅樹さん
http://www.frogsystem.co.jp/
TEL:03-6304-9777