Column 11 荻窪を生きる人
八丁商店街キャラクター「はっちゃん」誕生秘話(前編)
■菊池雅樹さん
有限会社フロッグシステム
代表取締役 クリエイティブディレクター
荻窪八丁商店街は「はっちゃん」というキャラクターを中心に盛り上がりの兆しを見せていますが、あのキャラクターは菊池さんがおつくりになったとうかがいましたが、どういった経緯で制作に携わられたのですか。
現在は阿佐ヶ谷駅寄りの成田東に自宅兼オフィスを構えていますが、以前は荻窪にオフィスがあったんです。そのため、今でも荻窪の法人会メンバーとなっていて、そのつながりから八丁商店街のPRに携わることとなりました。
私が商店街の皆さんから課題をヒアリングした上でPR活動の一環として、全国的に地域の活性化に一役買っている“街のキャラクター”が有効ではないかと考えました。
実際に「はっちゃん」のキャラクターを制作したのは妻で、プロのイラストレーターです。これまでも杉並区のパンフレットなどにもイラストを提供してきた実績があります。
実際にどのような流れで「はっちゃん」は誕生したのでしょうか。
まずは「八丁商店街の特長は何か」という点を突き詰めるところからスタートしました。ご存知の通り、八丁商店街は広い青梅街道を挟んで東西に伸びている商店街なので、駅前などのまとまった雰囲気の商店街とは異なり、そこが大きな課題でした。
逆に考えれば、その青梅街道こそが八丁商店街の象徴的な存在でもあるので、青梅街道沿いに植えられているイチョウ並木をモチーフにしてはという結論に達しました。
そのコンセプトを商店街の方々にご理解いただいた上で、いくつかのキャラクターを制作して見ていただいたんです。最終的に選ばれた「はっちゃん」の他には、たとえば貴族的な風貌の「イチョード8世」や、鳥とイチョウを合体させた「ラ・イチョウくん」など、キャラだけでなくネーミングも同時に提案させていただきました。
制作の際に配慮されたことはありますか。
現在は「はっちゃんTシャツ」も作られ、杉並区の「なみすけ商品券」を利用された方には「はっちゃんステッカー」もプレゼントしています。
商店街のイベントのポスターでも杉並区のキャラクター・なみすけともコラボする機会も出てくると考え、なみすけと一緒に並んでもしっくりくるようなキャラクターづくりを心がけました。なみすけ同様、「はっちゃん」もイチョウの木の妖精です。キャラ設定についても、なみすけについてはかなり意識しましたね。
現在はそういったTシャツやステッカー、ポスター、商店街フラッグだけの露出ですが、認知度が高まったら、たとえば「はっちゃんグッズ」の販売や、「はっちゃん」の着ぐるみなどが将来的に展開できるよう配慮したつもりです。
確かに八丁商店街の方も「はっちゃんグッズ」にはご興味を示されていました。これから「はっちゃん」は時と共に成長していくわけですね。
そうあってほしいですね。そのためにまずは街の人たちから愛着を持ってもらえるよう、とくにお子さんやファミリー層に愛されるシンプルなキャラクターづくりをしました。それが八丁商店街のブランディングの第一歩と考えています。
二次元的なキャラクターだけでは、なかなか愛着を持っていただけないと考えたので、不定期ですが「はっちゃん」を主役にした漫画も、八丁商店街が発信しているブログで更新しています。漫画を通じて「はっちゃん」に性格付けすることで、さらに地域住民の方たちに「はっちゃん」への愛着を持っていただきたいですね。
取材日:2012年3月27日
八丁通り商店街
http://8ave.jp/■インタビュー
有限会社フロッグシステム
代表取締役 クリエイティブディレクター 菊池雅樹さん
http://www.frogsystem.co.jp/
TEL:03-6304-9777