Column 1 荻窪の歴史
2009/12/18
「荻窪」の地名の由来
JR中央線荻窪駅周辺の地名は現在、北口を降りると「上荻」、南口の環八を隔てて東が「荻窪」、西が「南荻窪」となっています。青梅街道を越えた「天沼」や「清水」といった町も駅に近く、高円寺や阿佐ヶ谷と異なり中央線を境界線に北と南に均等に地名が並んでいるわけではありません。ちょっと紛らわしいですが、「下荻」や「北荻窪」といった地名はございませんのでご注意下さい。
地名の由来は、現在も上荻にある光明院というお寺にあります。時はさかのぼること奈良時代の和銅元年(708年)、観音像をおぶった一人の旅人がこの地を訪れました。しかし、不思議にも観音像が急に重くなり、歩くことができなくなってしまったのです。旅人は「観音像はこの地に何か縁があるのではないか」と思い、付近一帯を自生していたオギ(荻)を刈り取って草堂を造り、観音像を安置しました。その草堂の名を「荻堂」と名づけたそうです。
およそ1300年前は荻が一面に生い茂っていた一帯に現在はタウンセブンやルミネが立ち並んでいます。この駅前のにぎやかさを当時の旅人は想像さえできなかったでしょうね。
【オギ(荻):湿地に育つススキによく似たイネ科の植物で葦の一種】
参考HP:慈雲山荻寺光明院
http://www.komyoin.com/