特集コラム

Column 3 荻窪名所探訪

2010/12/20

天沼八幡神社

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JR荻窪駅北口を出て、青梅街道を右に歩くと、天沼八幡通りがあります。天沼八幡通りをしばらく進むと、ゆるやかに曲がる道沿いに天沼八幡神社の鳥居が見えます。

天沼八幡神社は、青梅街道と本天沼通りのちょうど中間の場所にあり、付近の人通りは多いのですが、お宮の前に来るとみな足を止め、一礼して過ぎていきます。

天沼八幡神社の創建は定かではありませんが、天正年間(1573年から1591年)から江戸初期と伝えられています。明治12年の『神社明細帳』には、「天沼村字中谷戸 無格社 八幡神社」とあります。祭神は、応神天皇。例祭日は、8月26日。天沼村がかつて赤坂の日枝社領であったため、天沼八幡神社の末社にも、稲荷神社や大鳥神社らととにも、日枝神社が奉斎されています。

大和武尊(やまとたけるのみこと)を祭神とする大鳥神社は、商売繁盛の神として信仰されています。毎年11月の酉(とり)の日には、縁起物の熊手やだるまを売る市がたちます。

天沼八幡神社でも、今年2010年の「一の酉」11月7日には、「奉納祭り囃子」と「奉納舞踊」が行われました。また、「二の酉」11月19日には、相模流萩原社中による「里神楽」が催されました。

江戸里神楽には、おおまかに2つの流派があり、相模流はその片翼ですが、相模流のみが演じている演目もあるそうです。天沼八幡神社と相模流4世萩原正義さんとの交流は深く、数十年間に渡り、天沼八幡神社で「里神楽」を披露してくださっているとのこと。11月は七五三のお宮参りの時期でもあり、多くの人が訪れます。

また、6月と12月の晦日(6月30日と12月31日)には、健康と家内安全を祈るための「大祓(おおはらえ)」の神事が執り行われます。2010年には、12月31日に「年越の祓(はらえ)」があります。当日は、氏神様にお詣りするべきところですが、男性には白、女性には赤の人形も用意されていますので、氏名年令を記載し、身体をぬぐい、息を吹きかけ、神事に託すことも可能です。

天沼八幡神社境内には、区の保護樹木に指定されている巨木が並んでいます。また、弓道場も設置されています。天沼八幡神社は、天沼の人々の生活と心に根ざして、静かにたたずんでいます。

天沼八幡神社
http://www.amanumahachiman.jp/
住所:東京都杉並区天沼2-18-5
連絡:電話03-3398-2514・FAX03-3398-2555

文・取材 / 竹内みちまろ

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