Column 10 荻窪のイベント
荻窪ハーモニーまつりには食や環境、エネルギー問題を考える場としての側面も!
実は初めて「荻窪ハーモニーまつり」に参加したのですが、つい“まつり”という名称に地域活性化だけを目的としたイベントだと思っていたところ、地域住民の啓蒙的な要素も盛り込んだイベントとなっていることを知りました。
中でも、文化施設・あんさんぶる荻窪でのクイズや展示には、食、健康、自然、環境、エネルギーといったあらゆる問題が提示されていて、スタンプラリーを楽しむ傍ら自ずとそれらの問題を考えさせられる構成となっているのです。
1階の杉並福祉事務所フロアでは、NPO法人すぎなみ環境ネットワークによる「分けわけクイズ2011」が実施されており、23品目を可燃物、不燃物、資源の3つに振り分けるクイズに挑戦しましたが、8割程度の正解率に愕然。
近頃改定された品目があることや、現在、高井戸のゴミ処理場のリニューアルがその背景にあることなども教えてもらいました。
また、「エネルギーカフェ」が開設されていた4階のすぎなみ環境情報館フロアは、骨密度チェックやウエストサイズチェック、よく飲まれるドリンクの糖分量についての展示などで“健康”を考え、食の未来づくり運動の広報活動やパルシステムの100万人の食づくりの説明及び試食、さらには賞味期限や生産地などの食品表示についてのアンケート調査などで、生活に最も身近な問題である“食”を考えるキッカケづくりとなるコーナーが集まっていました。
「エネルギーカフェ」では、無料の飲み物をいただきながら、杉並区が発行した「家庭でできる! すぎなみ省エネ作戦」のパンフレットを見ながら、自分はどれだけの省エネができるかチェックして、地球温暖化に涙しているホッキョクグマ「そらべあ」親子の足元に、その目標値を書いた紙を氷に見立てて貼り付けるというイベントを行っていました。
杉並区ではCO2排出量マイナス2%を目標に掲げており、そのためには1世帯あたり約247kgのCO2を削減しなければなりません。
CO2約247kgと言われてもピンときませんが、2リットルのペットボトルで約6万3000本分、100ワットの電球を約7分つけただけでペットボトル1本分に相当するそうです。
気が遠くなりそうな話ですが、まずはできることから始めようということで、パンフレットの省エネ一覧表から、削減項目を一つひとつ見てみると、意外と省エネできそうな気がしてきます。たとえば、夏の冷房時の室温は28度を目安にすれば1日9時間使用した場合13.7kgのCO2削減と670円の節約になるとか、20インチの液晶テレビを観るのを1日1時間短縮すれば6.8kgのCO2削減と330円の節約になるといった具合。
電力不足に悩むこととなりそうな2011年の夏に向けた心の準備ができた人も多かったのではないでしょうか。
さらに、NPO法人杉並環境カウンセラー協議会によるLED電球、白熱灯、蛍光灯などの展示や、省エネについての説明、どう夏を乗り切るかについてのアドバイスも。
断熱シート・すだれの利用や、グリーンカーテン、打ち水、スーパークールビズなど、夏の省エネ対策の参考となる情報を得られる内容でした。
また、「エネルギーカフェ」の外でも、庭づくりから見える体感温度についての展示や実際に計測器で調べる体験、“創電”をテーマに太陽光パネルについての説明が行われていました。
グリーンカーテンがつくられているビオトープにすぐ出られる場所なので、子どもたちは計測器を持っていろいろな場所の温度をチェックして楽しみながら学んでいたようです。
「第6回 荻窪ハーモニーまつり」は、イベントを楽しみつつもそんな地域社会における“今”を考えさせてくれる貴重な体験となりました。